カテゴリー「読んだ本 【さ】行」の11件の記事

左近の桜

左近の桜 (角川文庫)

空港で、飛行機の中で何が読む本はないかと書店を覗いて手に取ったのがこれ。
長野まゆみさんと聞くとBLの旗手のイメージが強かったのですが、
帯に"あやかしたち"と書いてあったので、宗旨替えされたのかと読んでみたら、
やはり長野まゆみさんでした。(笑


ただ、今まではどこかノスタルジックな雰囲気が多かったのが、
少年が成年に変わる短い時期が、魔とも聖ともわからぬ混沌としたもので、
不思議なことが起こってもおかしくはないと思わせる
クールな魅力的な作品になっています。


この盃をうけてくれ、どうぞなみなみ酌がしておくれ・・で始まる詩は、
井伏鱒二のオリジナルではなくて、訳詩だったんですね。
てっきり、井伏鱒二さんの詩だと思ってました。(^-^;
花に嵐のたとえもあるさ、さよならだけが人生だ。
まさに一期一会の出会いを紡いだ短編集です。

左近の桜 (角川文庫)

著者:長野 まゆみ

左近の桜 (角川文庫)

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食堂かたつむり

食堂かたつむり

ある日家へ帰ったら、インド人の恋人にすべて持って逃げられていた・・・。失意の倫子は声を失ってしまい、おばあちゃんの形見のぬか床を胸に故郷へ帰る。

そして、嫌いな母の援助を借りて、一日一組だけの食堂を開く。
料理が人を幸せにする喜びを知り、今まで理解できなかった母の本当の姿を知ったとき・・・

圧巻は、母が可愛がっていた豚を料理するところ。事こまかい想像したくはないのだが、食材になるものの命をいただくわけだから無駄なくおいしくいただくという精神が心の葛藤とともに綴られる。

食堂かたつむり

著者:小川 糸

食堂かたつむり

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6TEEN  

6TEEN

14 フォティーンの続編である。

16歳になった早老病のナオト、シングルマザーと同棲中のダイ、
名門高校へ進学したジュン、そして、ごくフツーの高校生テツロー。

学校は別々になっても、誰言うともなく集まる。
もんじゃや『ひまわり』という基地にも恵まれる。

恋愛あり、同級生の死あり、近づいてくる社会人への不安。
綺麗な女の子には、棘があるもんですね。

6TEEN

著者:石田 衣良

6TEEN

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少し変わった子あります 【森博嗣】

少し変わった子あります

その店はひとりでしか行くことができない。
店の場所はいつも違う。
そして、オプションに女性がひとりつくのだが、名前を聞いてはいけない。
いっしょに料理を食べ、話をするだけ。

なのに・・なぜかまた来たくなる不思議な店なのだ。

今第3のビールのCFで、住宅街にひっそりとした店があり、着物を着た若女将が「何か苦手なものがございますか?」と聞く。「気の強い女性が・・」と答える男性のものがあります。まさにあのようなイメージです。

少し変わった子あります

著者:森 博嗣

少し変わった子あります

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鷺と雪

鷺と雪


北村薫さんのベッキーさんシリーズ3作目であり、直木賞受賞作品です。

田舎の図書館でもさすがに予約を入れないと借りることができませんでした。

3章に分かれていて、「不在の父」では

突然いなくなった男爵が下町で見かけられるという事件が取り上げられています。

この中にでてくる山村暮鳥の詩集読みたいなと思います。

そして、この作品を読んでまず私の頭によぎったのは、「セツルメント運動」です。

セツルメント運動とは、知識や人格の優れた人がスラムに住み、

住民といっしょに生活して環境改善し、生活を改善していこうという運動で、

日本ではキリスト教の精神に基づいた片山潜のキングスレー館が最初です。

山村暮鳥が牧師であったこと、

それも独自の解釈ゆえに時として異端と非難されたことなど、

からみあわせてあるのかなと思います。

それと、浅草、上野といったところが出てきて先日行ってきたばかりだったので、

イメージできてこれもなにかの縁かと錯覚いたしました。

時代は身分制度の残る昭和初期、民衆は貧困にあえぎ、凶作に見舞われる。

表題の鷺は、能の「鷺」を意味していて、能の中で鷺は帝の勅令を受けてとどまり舞う。

雪を思わせる鷺は、昭和11年2月26日の日の前兆のように使われている。

参考文献が列挙してあるのを見ても、北村氏の緻密な構想と意欲が感じられます。

この巻だけでも楽しめますが、やはり全シリーズ読まれるのがベストでしょう。

作中で、ベッキーさんの命名の秘密が明かされますし、

「ベッキーさんて、本当に何でもできるのね」といわれて、

「いえ、別宮には何もできないのです

「前を行く者は多くの場合―慚愧(ざんき)の念と共に、

その思いを噛み締めるのかも知れません。

そして、次に昇る日の、美しからんことを望むものかも」と続けます。

時代を変えた人が評価されるのは、ずっとあとの時代ですし、

その時の人たちは、そう思って逝ったのかもしれませんね。

鷺と雪

著者:北村 薫

鷺と雪

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里親入門

里親入門―制度・支援の正しい理解と発展のために

里親ー養護の必要な児童を家庭に引き取って養護する家庭的養護。

なんて、制度的には定義するんですかね。

この本は制度的なものから、里親や委託された児童の体験談、

諸外国との比較が載っています。

日本は諸外国にくらべ里親委託される子供の数は最低水準になっています。

戦後に孤児の養護から始まった児童養護も、

現在では、親のいる子供がほとんどです。

家庭に問題があっても、親は子供をとられるような気がして、

委託に同意しないことが大きな原因と考えられます。

そして要養護児童の半数以上が虐待を受けた経験があるのですから、

深く傷ついた心を癒し育てるのは、生半可なものではないと思います。

里親に預けられた子どもは、

まず退行症状や、暴れたりして、里親を試すそうです。

それを乗り越えても、また思春期など難しい時期がやってきます。

子どもを育てるというのは、なんと困難なことであるか。

人が成長し自立するという、

そしてそれを支援し続けていくということが、

崇高なものに思えます。


里親入門―制度・支援の正しい理解と発展のために

著者:湯沢 雍彦

里親入門―制度・支援の正しい理解と発展のために

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銃とチョコレート

銃とチョコレート (ミステリーランド)

乙一が少年少女のために書いた・・ということで十分読んでみたいと思わせます。(笑

さすがに少年少女むけとあって、クールで終わらない冒険物語になっていますが、

そこはちゃんと世の中がひっくり返るような出来事がいくつもあるのです。

人種差別とか、社会の情報操作とかのスパイスも効いてます。

銃とチョコレート (ミステリーランド)

著者:乙一

銃とチョコレート (ミステリーランド)

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地獄変

地獄変 (集英社文庫) (集英社文庫)

期間限定の表紙に惹かれて買ってしまいました。
デスノートの小畑健さんの画です。

元々わかりやすい文体の芥川作品ですが、文字組みやフォントの大きさでより読みやすくなっています。

名作なので、価格が安いのも若い人に読まれやすいかと思います。

芥川作品は、脚色されて映画にもなっているのが冒頭のページで紹介されています。読んでいてビジュアルを描きやすいからでしょう。

今”ナツイチ”のキャンペーンで携帯ストラップついてます。
かわいい♪


地獄変 (集英社文庫) (集英社文庫)

著者:芥川 龍之介

地獄変 (集英社文庫) (集英社文庫)

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1950年のバックトス

1950年のバックトス

表題をパドックスと読み違えてました。(笑

北村薫さんの短編集です。ちょっと不思議な感覚の作品から駄洒落のきいた作品やちょっぴり感動してしまう作品まで盛りだくさん。

「ほたてステーキと鰻」は「ひとがた流し」の番外編ともいえるもの。掛け替えの無い人を失っても、残された者は生き続ける。


ー夜と昼があり、曇りと晴れがある。そうやって一日一日を過ごしていくのだ。
時は自分を奪う前にいろいろなものを奪っていく。
しかし、何かを失えばまた何かを得ることもあるのだろう。

思いは、沼ではなく泉であってほしい。生きているのだから、新しい水がほしい。ー

あまり考えたくないけれど《最後の日々をいっしょに送るのは誰なのだろう》とちょっと思いました。

1950年のバックトス

著者:北村 薫

1950年のバックトス

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さくら伝説

さくら伝説


なかにし礼さんの作品は初めてなのだが、読み始めると渡辺淳一さんの作品を思わせる設定である。

どうにも身勝手な男の言動に辟易しそうになると、田口ランディ風なオカルティックな風味が加わってくる。

「伝説」なんだから謎めいたとこがあるのは当然と言われればそうなのかもしれないが、若い愛人の亜矢の心理が理解できない。男にとって都合良すぎる。(笑)

最後まで後味の悪い作品である。印象深いといえば、そうであるが。

さくら伝説

著者:なかにし礼

さくら伝説

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