カフェ かもめ亭
amazonのおすすめリストから選んだ本。短編集だからいいかなと思って購入。
元が児童文学として書かれ出版されたのが、
加筆、修正を加え文庫化し一般向けとなった経緯がある。
そのためか、書き始めを読んでいると童話っぽくて気恥ずかしい感じすらする。
悪くはないが、どうにも単調と思いつつ、ねこしまさんの後半から、
かもめ亭奇談、文庫版書きおろしの番外編は一気に読んでしまった。
メルヘンといっても、時は現代、ぎすぎすした学校が嫌になったり、
両親の心が離れていってしまうという現実が背景にあるからだろうか。
不幸に出会ってしまった子どもが、周りの人のちょっとした魔法で、
それをりっぱに乗り越えて大人になることが共感を呼ぶからだろうか。
最後のクリスマスの国を読み終え、読了したら、
なんだか、魔法を信じている大人がいてもいいじゃないかって思えてきた。
魔法といっても、周りの人のちょっとしたやさしさや、出会いという、
人の心を明るくするささやかな魔法である。
そして、冒頭でのかもめ亭の記述がアニメっぽいイメージだったのが、
解説を読んだら、神戸の北野坂あたりのカフェが彷彿として、
目の前にはっきりと浮かんだ。
本のストーリーのようにはっきりとしたドラマではないが、
ささやかなドラマが誰かの心の中に現実に繰り広げられているのではないだろうか。
この作品は、『コンビニたそがれ堂』の姉妹編だそうで、
そうなるとそちらの世界も覗きたくなるというものだ。
カフェかもめ亭 (ポプラ文庫ピュアフル) 著者:村山早紀 | |
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