陰陽師 天鼓ノ巻
陰陽師 天鼓ノ巻
陰陽師シリーズ7作目。
変わらぬ晴明と博雅である。
今回大きな役回りは蝉丸。
百人一首にも歌を残している蝉丸については、いくつかの伝説があり、存在自体危ぶまれる人物である。
この作中では、心離れたことが元で亡くなった北の方を『心はあげられないが、生命はあげられたのに』と言って自分に取り憑かせている。憑き物を払う晴明にも、人と人の心には踏み込むことができないのである。
また蝉丸は酒を飲むのは、風をいただくという。酒を頂く前に、杯に入った酒の上を吹いている風を飲むというのだ。
晴明や博雅と共に、晴明邸の庭を眺めながら、杯の風を味わいたいものである。
陰陽師 天鼓ノ巻 著者:夢枕 獏 | |
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